歯が動くとは?

歯列矯正をどこか歯科医院で受けるとき、ふと疑問に感じるのが「本当に自分の歯が動くのか?」ということです。普通に考えてみると歯は髪の毛と違って一度伸びきってしまった後にはそれ以上伸び続けるということがありません。そこに定着してちょっと触ったくらいではびくともしないような歯が、どうして歯列矯正できるのか、なかなか想像がしにくいことです。
しかし、人間の歯は一見定着をしているように見えて、同じ方向に持続的な力を加え続けることにより少しずつその方向に動いてゆくしくみになっているのです。例えば、毎日親指を噛んだり鉛筆などの硬いものを噛んだりしていると、少しずつ出っ歯になってきてしまいます。子供の時に、「指をしゃぶってばかりいてはいけません」と怒られた経験のある人も多いかと思いますが、それにはきちんと根拠があるのです。
なぜ同じ力を加え続けることにより歯の方向が動くかというと、それは持続的な力が加えられることにより、押される方向の歯茎が次第に貧血状態になっていってしまうからです。貧血状態になった歯茎は、正常に戻そうとするため「ホメオスターシス」という機能が働くようになります。そこで圧迫された歯槽骨が溶け出し貧血状態が押し戻されるのです。
同時に溶けた歯槽骨の反対側では新たに歯槽骨が作られ始めます。そのため歯の土台の向きが変わり、歯の位置が動く作用を得ることができるようになるのです。歯列矯正はこの原理を利用し、マウスピースやワイヤーなどで歯を固定するのです。